「ロードス島という島がある。アレクラスト大陸の南に位置する辺境の島だ。(中略)
大陸の住人の中には、ロードスを”呪われた島”と呼ぶ者もいる。・・・」
で、はじまるファンタジー小説がある。聞く人が聞けば、懐かしいなとか。
古典のファンタジー小説だねとか、言われることだろう。
そう。アニメーションにもなった「ロードス島戦記」だ。
大まかなあらすじ
大まかなあらすじを振り返って見るとこんな感じ。
アラニア王国出身の若き戦士パーンは、亡き父と同じ騎士になる夢をもとめて5人の仲間と冒険の旅に出た。
その途中、英雄戦争の狭間で暗躍する「灰色の魔女」カーラの陰謀を知ることなになるが、それは大いなる運命のはじまりにすぎなかった。
という感じで物語は始まっていく。
とにかく、この第一巻「灰色の魔女」編は、ロードス島戦記の始まりの物語であり、主人公パーンの成長物語でもある。
ファンタジーは、初めて読むという人でも読みやすく、大体が思い浮かべるであろう剣と魔法の世界が広がっている。
当時の思いで
学生時代には、今の時代ほどにファンタジー小説的なものはなかった。
海外のファンタジー小説は、「指輪物語」や「アーサー王物語」等あったことはあったが、どれも挿し絵が厳つく、とても興味を引くようなものではなかった。
そんなとき、もっとライトな感じのファンタジー小説はないものかと、本屋を探索していた。
たしか10月ぐらいだったろうか。秋と言えば、読書の秋。
何とはなしに見つけたのが「ロードス島戦記」という一冊の本だった。
とにかく初めは、表紙に引かれた。海外ファンタジー小説と比べて、明らかに読みやすそう。
扱いは今で言うところのライトノベルにあたるのであろう。当時は角川スニーカー文庫だった。
表紙も外人の筋骨隆々の戦士ではなく、なんども私がイメージした剣と魔法をイメージした表紙、挿し絵だったのだ。
イラストは、メカデザインなどで有名な出渕裕さんだったこともあり、すぐに購入した。
どちらかといううと、サンライズ系のロボットのメカデザインなどを描いている出渕さんだが、今思うと意外にこの挿絵が、物語にあっているように思う。
家に帰るとその日のうちに読み終えた。まさに待ち望んだ一冊だったのだ。
続編はないかと、本屋にその日のうちに探しにいったが、どうやら初めの一冊だったらしく、家に帰って再度読み直した記憶がある。
とにかく熱中して、何度も読み直した記憶がある。
RPGから始まった
そもそもこの「ロードス島戦記」は、RPGからはじまった。
RPG(ロールプレイング・ゲーム)をご存じだろうか?
ドラゴンクエストなどに代表されるコンピューターゲームを連想されるだろう。
ここで言うところのRPGとは口頭とサイコロで進めていくテーブルトークRPGのことだ。
テーブルトークRPGとは、ゲームマスターとプレイヤーに分かれ、サイコロを使ってダンジョンを探索したり、モンスターと戦ったりして、ファンタジー世界を満喫するゲームだ。
T&T、D&Dといえばご存じの方もいるだろう。
このロードス島戦記は、テーブルトークRPGから生まれた物語だったのだ。
最初テーブルトークRPGとして遊ばれ、原作者の水野良さんが小説として書き直したものが、この「ロードス島戦記」という物語にあたる。
学生時代には、遅まきながらこのテーブルトークRPGに巡り合うことになり、何度か遊んだことがある。
しかし、このテーブルトークRPGは、一日で終わるものではなく、日曜日のたびに友人同士で集まっては遊ぶのだが、数か月かかる場合もある。
やっぱりいいのだロードス島
久しぶりに読み返すと、どっぷりとファンタジー世界に浸かっていた当時を思い出す。
主人公パンーンと、その個性豊かな仲間たちの活躍。
仲間たちは種族も違うし、職業も様々。剣と魔法の世界のファンタジーに浸れるのだ。
ロードス島戦記は全7巻だが、その後も「新ロード島戦記」など幅広く展開している。
しかし、個人的には、やっぱりこの最初の全7巻が一番気に入っている。
やっぱりロードス島戦記の世界観はいいなぁ。
帰ってきたと思えるのだ。
コメント